弁理士資格とは?弁理士試験の出題内容と勉強法

弁理士

弁理士とは?

弁理士は、特許、実用新案、意匠、商標などの知的財産権に関する専門家です。特許庁への出願手続きや、企業の知的財産戦略のサポートを行い、発明やブランドを保護する役割を担います。技術と法律の知識を駆使し、クライアントの権利を適切に守ることが求められます。

弁理士試験の概要

弁理士試験は、日本弁理士会が実施する国家試験で、知的財産に関する専門知識を問われます。試験は以下の3段階で構成されています。

試験は短答試験が5月頃、論文試験の必須科目が 6月末ごろ、選択科目が7月頃に開催されます。 口述試験は10月頃に開催されます。
眼科の提出は3月から4月頃に行います。

試験の詳細については、特許庁が公開しています。

1. 短答式試験

知的財産法に関する基礎的な知識を問う選択式の試験です。主に以下の法律が出題範囲となります。

試験概要

試験科目

工業所有権に関する法令
特許・実用新案に関する法令:20題
意匠に関する法令:10題
商標に関する法令:10題
※ 工業所有権に関する条約の規定を含む場合あり。

工業所有権に関する条約:10題
※ 条約に直接関係する工業所有権法令を含む場合あり。

著作権法及び不正競争防止法:10題

合計:60題
– 試験時間1.5時間

出題形式

  • 五枝択一(マークシート方式)
  • ゼロ解答は採用しない(「いずれにも該当しない」という選択肢なし)
  • 試験科目間で重複する部分がある場合、問題ごとに科目を明示

試験時間

3.5時間

合格基準

  • 総合得点の65%以上
  • 科目ごとの最低基準(各科目の40%以上)を満たすこと
  • 工業所有権審議会が適正と認めた得点以上であること

学習に最も時間がかかるのがこの短答試験です。
おおよそ700~2000時間対策に時間がかかると言われています。

2. 論文式試験

知識を応用し、具体的な事例に対して論理的な説明を行う記述式の試験です。

必須科目と選択科目があります。
大学院を卒業しているなど選択科目が免除されるケースが多くあります。

必須試験

試験科目

工業所有権に関する法令
特許・実用新案に関する法令 :2時間
意匠に関する法令 :1.5時間
商標に関する法令 :1.5時間

  • 出題には、工業所有権に関する条約の規定が含まれる場合があり、工業所有権法令の範囲内で条約の解釈・判断を考査する。
  • 試験の際、「弁理士試験用法文」を貸与。

科目合格基準

  • 標準偏差による調整後の各科目の得点の平均(配点比率を考慮)54点を基準 とし、工業所有権審議会が適正と認めた得点以上であること。
  • 47点未満の科目が一つもないこと。

選択試験

試験科目

以下から 1つ選択(提出後の変更不可)。

科目 選択問題の範囲
理工I(機械・応用力学) 材料力学、流体力学、熱力学、土質工学
理工II(数学・物理) 基礎物理学、電磁気学、回路理論
理工III(化学) 物理化学、有機化学、無機化学
理工IV(生物) 生物学一般、生物化学
理工V(情報) 情報理論、計算機工学
法律(弁理士の業務に関する法律) 民法(総則、物権、債権)
  • 試験時間 1.5時間

  • 「法律(弁理士の業務に関する法律)」を選択した場合には、弁理士試験用法文を貸与

科目合格基準

満点の60%以上の得点で合格。

3. 口述試験

試験科目

  • 特許・実用新案に関する法令
  • 意匠に関する法令
  • 商標に関する法令
  • 各科目とも約10分
  • 試験室内に弁理士試験用法文が用意されており、試験委員の許可を受けて参照可能

合格基準

  • C評価が2つ以上ある場合は不合格
  • A、B、Cのゾーン方式で採点
  • A:答えが良くできている
  • B:答えが普通にできている
  • C:答えが不十分である

効果的な勉強法

弁理士試験の合格には計画的な学習が不可欠です。以下の勉強法を参考にしてください。

1. 基礎知識の習得

短答式試験対策として、基本書や入門書を活用し、各法律の条文を理解しましょう。特許庁のガイドラインや過去問を併用すると効果的です。

2. 過去問の分析

論文式試験の対策には、過去問を徹底的に分析し、出題傾向を掴むことが重要です。答案構成を意識しながら解答練習を重ねましょう。
特許庁が 過去問も無料で公開しています。

3. 模擬試験の活用

試験本番を想定し、模擬試験や答練を受講すると、時間配分や解答スピードの調整ができます。また、他の受験生の答案と比較することで、自身の課題を明確にできます。

4. 口述試験対策

模擬面接などを活用し、実践的な練習を積みましょう。想定質問に対して、明確かつ簡潔に回答する練習が有効です。

まとめ

弁理士は知的財産分野の専門家として、高度な法律知識と技術的な理解が求められます。試験は難関ですが、計画的な学習と実践的な対策を行うことで、合格への道が開けます。継続的な努力を続け、弁理士を目指しましょう!

弁理士の勉強に役立つサイトについては以下の記事でまとめています。

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